治療院ホームページをAIと一緒に作り直して分かったこと|便利だが全部任せてはいけない

Webサイト・集客

私は、おそらく治療院業界の中ではかなり早い時期からホームページを作ってきた方だと思います。

もともとは1990年代前半、まだインターネットが一般家庭に普及する前の「パソコン通信」の時代からパソコンを使っていました。

少し年代を調べ直してみると、日本で商用インターネット接続サービスが始まったのは1993年。家庭から電話回線を使って接続するダイヤルアップIPサービスが始まったのは1994年です。ISDNの「INSネット64」自体はさらに早く、1988年にサービスが始まっています。

つまり1990年代前半は、「インターネットがなかった時代」というより、インターネットは存在していたけれど、まだ一般の人にとって身近ではなかった時代と言った方が正確です。

現在のWebにつながるWWW(World Wide Web)も1991年には登場していました。

当時は今のように検索すれば何でも答えが出てくるわけではありません。

私も「世界中とつながることができる」ということに夢を感じて、本を読みながらホームページを作りました。

昔のホームページはHTMLを自分で書いていた

当時、ホームページを作るにはHTMLを書かなければなりませんでした。

厳密にはHTMLは「プログラミング言語」というより、Webページの文章や構造を記述するためのマークアップ言語です。

文章を書き、見出しを指定し、画像を配置し、リンクを張る。

それをHTMLファイルとして作り、サーバーへアップロードする。そしてURLというWeb上の住所を通して、他の人から見てもらう。

今から考えると、ずいぶん面倒なことをやっていました。

それでも、本を読みながら一つずつ覚えていけばホームページそのものは作れます。

問題は別のところにありました。

「ホームページを作れること」と「良いホームページを設計できること」は、まったく別だったのです。

作る技術はあっても、サイト設計は見よう見まねだった

私は長年、自分の治療院のホームページを作ってきました。

HTMLも触れる。サーバーもある程度分かる。WordPressも使える。

しかし今回、AIと一緒にサイトを作り直してみて、改めて昔のサイトを見ると、

「これは構成があまり良くなかったな」

と思う部分がかなりありました。

なぜ今になってそれが分かるのか。

一番大きかったのが、AIと壁打ちできるようになったことです。

「自分は何をやってきたのか」

「このホームページは誰に向けたものなのか」

「何を一番伝えたいのか」

「最終的に何をしてもらいたいのか」

こうした質問をAIに何度も投げてもらい、自分も答えていきます。

すると、自分の頭の中だけで考えていた時には見えなかった矛盾がかなり出てきます。

これはホームページ制作の技術というより、自分の考えを整理する作業に近いと思います。

昔ならブレインダンプやマインドマップで整理していた

こうした作業には以前から「ブレインダンプ」という方法があります。

とにかく頭の中にあることを紙やノートへ全部書き出す。

その後、マインドマップなどを使って、

  • これは必要
  • これは別の話
  • これは捨ててもいい

と整理していきます。

理屈としては非常に良い方法です。

ただ、実際にやってみるとなかなか難しい。

そもそも自分一人では、何を書き出せばいいのかが分からないという問題があります。

ある程度までは出てきても、そこで止まってしまいます。

本来なら何時間、場合によってはもっと時間をかけて考える作業なのでしょう。

そこにAIを入れるとかなり変わります。

私は最近、AIを「第二の脳」のように使っています。

正確にはAIが考えてくれるというより、自分の頭の中にあるものを引っ張り出して、整理して、別の角度から問い直してくれる相手として使う感じです。

これはホームページを作り直す時には非常に便利でした。

WordPressも20年以上でずいぶん変わった

昔はHTMLファイルを一枚ずつ作っていましたが、現在はWordPressを使っています。

WordPressは2003年に始まったCMS(コンテンツ管理システム)で、すでに20年以上の歴史があります。

現在ではレンタルサーバー会社の多くが簡単にインストールできる仕組みを用意しているので、昔に比べればホームページを立ち上げるハードルはかなり下がりました。

デザインは「テーマ」で変更し、必要な機能は「プラグイン」で追加できます。

私は昔のWordPressにはあまり良い印象を持っていませんでした。

アップデートしたら表示がおかしくなったり、テーマやプラグインの組み合わせで不具合が起きたりして、画面が真っ白になった経験もあります。

現在はWordPressそのものもかなり成熟して、昔より使いやすくなったと感じています。

ただし、「もうアップデートで問題は起こらない」という意味ではありません。

WordPressを使う以上、テーマやプラグインの更新、バックアップなどは今でも必要です。

ここはAIがあっても変わりません。

一番便利だったのは「分からない画面をスクリーンショットで聞ける」こと

今回サイトを作り直していて、特に便利だと感じたのがスクリーンショットです。

WordPressには設定項目がたくさんあります。

昔なら、

「この設定は何だ?」

と思ったら本を調べる。

インターネットを検索する。

英語のマニュアルを読む。

さらに古いソフトウェアでは、日本語訳が分かりにくいこともありました。

これがかなり面倒でした。

今は、

「私はこうしたい。この画面ではどれを選べばいい?」

とスクリーンショットをAIに見せればいい。

すると、

  • ここを押す
  • これは変更しない
  • こちらを先に設定する

と説明してくれます。

ホームページ制作に関しては、これは非常に大きな変化だと思います。

場合によっては、画面を一枚ずつ見せながらAIと一緒に設定を進めることもできます。

専門用語が分からなくても、「自分は何をしたいのか」さえ説明できれば、かなり先まで進めるようになりました。

デザインについてもAIはかなり使える

デザインについてもAIは便利です。

私は最近、Claudeなどにもサイト構成やデザインについて相談しています。

私の感覚ではClaudeが比較的すっきりしたデザイン案を出してくれることがありますし、Geminiを使うこともあります。

ただ、

「デザインなら絶対にこのAI」

と決めてしまう必要はないと思っています。

AIの進歩は非常に速く、数か月前の評価がそのまま通用するとは限らないからです。

その時点で、

  • このデザインをもう少し見やすくして
  • 治療院らしいが古臭くならないようにして
  • 高齢の人でも読める文字サイズを考えて

と複数のAIに聞いてみればいい。

大切なのはAIのランキングではなく、自分が何を作りたいのかを具体的に伝えられることだと思います。

ただし、AIに全部任せてはいけない

今回、一番強く感じたのはここです。

AIは便利です。

  • ホームページの構成を考える
  • 文章を整理する
  • WordPressの操作を教えてもらう
  • デザイン案を考える
  • 誤字脱字を直す

こうした作業は非常に得意です。

しかし、記事そのものを全部任せるのは危険です。

私は音声入力をかなり使います。

まず話したものを文字にして、それをAIに読みやすい文章へ直してもらう。

これは非常に効率が良い方法です。

ところが、時々こちらの意図とは違う方向にAIが文章を整理してしまうことがあります。

文章としてはきれい。

理屈も通っている。

でも、

「私はそんなことを言っていない」

という文章になっていることがあります。

これがAIを使う上で怖いところです。

特に「事実」は必ず確認した方がいい

さらに問題なのが事実関係です。

AIは、もっともらしい文章を作る能力が非常に高い一方で、間違った日付、存在しない資料、誤った説明などを生成することがあります。

そのため、日付や制度、製品の仕様、医療情報など、事実関係が重要になる部分については、AIの文章をそのまま信用せず、信頼できる情報源で確認する必要があります。

今回の記事でも、最初に私が話した内容をそのまま文章にすると、

「1993年ごろにはまだインターネットがなかった」

という意味にも取れる文章になっていました。

調べれば、これは正確ではありません。

インターネットそのものは以前から存在しており、日本でも1980年代から大学や研究機関を中心にネットワークが作られていました。日本で商用インターネット接続サービスが始まったのが1993年です。

こういうところは、人間が確認しなければなりません。

AIは「ホームページを作る人」ではなく「一緒に考える人」

今回、長年運営してきたホームページをAIと一緒に作り直してみて、私のAIに対する考え方も少し変わりました。

AIにホームページを作ってもらう。

そう考えると、少し違う気がします。

むしろ、AIと一緒にホームページについて考える。

こちらの方が実態に近い。

自分の経験を全部話す。

AIから質問してもらう。

構成を作ってもらう。

違和感があれば戻す。

スクリーンショットを見せる。

設定を相談する。

文章を書かせる。

そして最後は自分で確認する。

この往復を繰り返す。

AIを使えば、ホームページ制作は確かにかなり楽になります。

特に一人で治療院を運営している人にとって、これまで専門家に相談しなければならなかったことを、その場で何度でも相談できるのは大きなメリットです。

しかし、便利になったことと、考えなくてよくなったことは同じではありません。

むしろAIがあるからこそ、

  • 自分は何を伝えたいのか
  • これは本当に事実なのか
  • この文章は本当に自分の言葉なのか

を最後に判断する力が、以前より重要になったのではないかと思っています。

ホームページ作りでAIに任せるところは任せる。

でも、目的と事実と最終判断だけは人間が持つ。

今のところ、それがAIとホームページを作るうえで一番良い付き合い方だと感じています。

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