厚生労働省が、母乳育児を進めるために「授乳・離乳の支援ガイド」を作成したそうです。産婦人科医や保健師さん向けにまとめられたもので、母親への指導をより分かりやすく、安心できるものにしようという試みです。
母乳には、赤ちゃんの免疫力を高める働きや、あごの発達・歯並びを良くする効果があるとされます。さらに肥満予防や、お母さん自身の愛情が深まり虐待防止につながる可能性まであるとの研究もあるそうです。
ガイドのポイントは3つ。
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出産後なるべく早く授乳する
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母子同室でスキンシップを大切にする
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赤ちゃんが欲しがるときに、いつでも母乳をあげられるようにする
——ここまでは新聞記事の内容です。
私のところにも産後のママさんがよく来られますが、意外と多いのが「体を冷やしてしまって母乳の出が悪い」というケースです。産後はホルモンの影響もあり、ちょっとした冷えが母乳の出に直結します。
若いお母さんの中には、産後でも薄着で過ごしたり、冷たい飲み物を習慣的にとったりする方がいます。ご本人は元気でも、授乳中の体はとてもデリケート。冷えは母乳の循環を妨げるだけでなく、肩こりや腰痛にもつながりやすいのです。
例えば、あるお母さんは夏場でも素足で過ごし、氷入りの飲み物をよく飲んでいました。その結果、母乳の出が悪くなり、赤ちゃんもなかなか満足できず夜泣きが増えてしまったことがありました。生活を少し見直して「温かい飲み物を中心にする」「足首を冷やさない」だけで、母乳の出がぐんと良くなったのを覚えています。
母乳育児は「自然なこと」と思われがちですが、実際にはちょっとした体のケアが大きな差を生みます。特に「冷やしすぎない」こと。これは若いお母さんにぜひ知っておいていただきたい大事なポイントです。
ガイドラインとあわせて、体を温めて母乳が出やすい環境を整えることが、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、安心で幸せな育児につながるのではないでしょうか。