
子どもの治療をしている関係で、妊娠前から来院される方や、妊娠中の方とも多く出会います。
妊娠中に多い症状といえば「冷え」「腰痛」「肩こり」、そして「逆子」です。
今日はその中から「逆子」についてお話しします。
逆子とは?
逆子とは、お腹の中の赤ちゃんが「お尻から先に」生まれてくる状態です。
本来は頭から生まれてくるのが自然な流れですが、逆子では頭より先にへその緒が出てしまう可能性があり、産道でへその緒が挟まってしまうリスクがあります。
そのため、自然分娩を希望していても、帝王切開になるケースも少なくありません。
逆子が治る時期と確率
赤ちゃんは妊娠5か月くらいまではお腹の中でよく動きます。
逆子の場合も、7~8か月までに治しておくと良いとされています。
10か月になると自然に治る確率はかなり低くなります。
私の先輩で、ネパールのカトマンズで東洋医学専門学校を立ち上げ、現在も活躍している畑美奈栄さんが、出産予定日の2週間前に逆子をお灸で治したという経験を聞いたことがあります。とても珍しいケースですが、そういう例もあるのです。
逆子にお灸が効く理由
逆子の改善には体操などもありますが、効果が高いのは「お灸」だと思います。
施術をしていると赤ちゃんがよく動くことが多く、一度で治る場合もあります。
ただし一般的には、週2回のペースで4~8回ほど通っていただくのが目安です。
逆子の方には冷え性の方が多いので、施術とあわせて生活面でも「体を冷やさない工夫」が大切です。アイスクリームなど冷たい食べ物は控えていただくようお願いしています。少しの辛抱ですが、大事なことです。
逆子の治療は「冷えの治療」でもあるのです。施術が進むにつれて体も温まり、母体も楽になっていきます。
逆子と冷えに効くツボ
逆子と冷えに用いる代表的なツボは 三陰交(さんいんこう) と 至陰(しいん) です。
特に三陰交は体調によってツボの位置が微妙に変わるため、必ず専門家にチェックしてもらうことをおすすめします。
逆子や妊娠中の不調に対して、鍼灸やお灸は優しくサポートできる方法です。
ただしセルフケアでの施灸はリスクもありますので、必ず専門家の指導を受けてください。
安心してお産の日を迎えられるよう、一緒にからだを整えていきましょう。