
本棚を掃除していたら、すっかり存在を忘れていた一冊が出てきました。タイトルは 『体の中の原始信号』。読み始めると、先日参加した「無意識へのアプローチ」ワークショップの体験がフラッシュバックしてきました。
心理的な技法をいくつか実際に体験し、トレーニングをしたあの日。振り返ると、まさにこの「原始感覚」を意識化したのがワークだったのだと気づきました。
間中先生のこと
著者の間中先生は、ずいぶん前に私の母校で校長をされていた方です。医師でありながら鍼灸をしたり、気功をしたり、絵を描いたりと八面六臂の活躍をされていた人物。当時(昭和30〜40年代)、医師が鍼灸に取り組むこと自体が「変わり者」に見られていた時代だったそうです。
触れて分かる「原始感覚」
私たち、人に触れる仕事をしている者にとって、診断や方針を決める際の基準は「感覚」によって培われます。
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脈の速さ
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舌の色
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顔色や声色
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触った感覚、音、におい
こうした情報を総合して整理し、施術に入ります。
私自身は、まず大体のお話を聞いて確認し、指圧やマッサージを行いながら「その人に合ったやり方」を探していくスタイルです。最後には足の指を触れて全体の状態を確認し、施術を終えることが多い。
多様なやり方の中で
施術のスタイルは人それぞれ。按摩を中心にする人もいれば、ひたすら指圧をする人もいます。中には「さすって終わり」という人もいれば、「一時間叩きっぱなし」という人も過去に二人ほど出会いました。
つまり、基本のパターンはありつつも、大きく外れる人にはその人に合ったパターンを探しながら行う必要があるのです。
昔から好きだった「原始感覚」
理由はよく分かりませんが、この「原始感覚」という考え方は、昔から私の中で大切な判断のひとつとして残っています。ワークショップでの気づきと本の内容が重なったことで、また新しい視点が加わった気がします。