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「疳の虫」と小児はりは切っても切れない関係にあります。
大阪発祥の小児はりは、このたび神戸で「日本小児はり学会」として学会が設立されました。
小児はりにはさまざまな流派が存在します。私がご縁をいただいた大師ハリ、最古の中野鍼、そして私の師匠につながる藤井流。大阪にはかつて「亀はり」「兎はり」といった呼び名のものもありました。昭和30年代ごろまでは、大阪で「はり」と言えば「小児はり」を指すほど、広く親しまれていたといいます。
当時は来院数が非常に多く、小児専門の鍼灸院では一日に数百人もの子どもが訪れることもあったそうです。しかし、核家族化の進行や医療機関の充実、医療保険制度の発達とともに、小児はりは昭和40年を境に衰退していきました。
それから数十年、2000年の春に私が私淑していた大阪の先生の尽力により、「小児はり」の流れが再び形になりました。そして今年ついに学会が立ち上がり、当時の状況を知る者として心から嬉しく思います。
学会として公開され、研究や臨床が共有されていくことで、小児はりがどのように進化していくのか——これからがとても楽しみです。