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70年代はじめに流れてきた Americaの「名前のない馬」。
乾いたギターの響きと哀愁あるメロディに、中学生だった私は胸を打たれた。
ベトナム戦争の余韻が、まだ日本にもほのかに漂っていた時代。
同じ年、「上条恒彦と六文銭」の 「旅立ちの歌」 がレコード大賞を受賞した。
フォークソングが“プロ”の音楽として認められた、画期的な瞬間だったように思う。
あれから何十年。
世の中は変わったようで、実はほとんど変わっていない。
イラク戦争は泥沼化し、一昨日にはパキスタンのブット元首相が暗殺された。
政権がひっくり返るのではないかという緊張が隣国インドにも伝わり、国境付近は不穏な空気に包まれているという。
一方の日本は、どこかノー天気なまま年の瀬を迎え、明日が見えない。
そういえば「木枯し紋次郎」の主題歌も「旅立ちの歌」だった。
最後に問いかける――
「明日はどっちだ?」
まったく、本当にどっちへ行ってしまうのだろう。