どんな仕事でも、根をつめたり長時間集中すれば疲労します。
私のまわりにも介護職の方が多く、意見交換する機会がありますが、介護は「好きでないと続けられない仕事」だと皆さん口をそろえて言います。
気の毒なのは、介護事業を営む会社が職員の健康にあまり配慮していない点です。
もちろん会社が利益を追求するのは当然ですが、従業員の犠牲の上に成り立ってしまうのでは本末転倒でしょう。
このバランスを保っている会社は、残念ながらまだまだ少ないと感じます。
実際、介護職員の6割以上が慢性疲労を抱えているといわれます。
日本人はよく働くと言われますが、日本にいる外国人も例外ではありません。
たとえば「普段はあまり働かない」と思われがちなスリランカ人も、日本に来ると驚くほど勤勉に働きます。
あるとき、19歳で研修に来日したオーストリア人がこう言ったそうです。
「どうしてこんなに働くのだろう? これだけ働いても日本の生活水準はオーストリアより低いのに。 働いても働かなくても生活が変わらなければ、働かなくてもいいのに」
まさに的を射た一言で、指導していた彼女も思わずため息をついたとか。
その彼女自身も働き蜂タイプで、下の人が休みにくい雰囲気を作らないよう、自ら率先して休みを取ると言っていました。
介護職に限らず、日本社会全体が疲れているように思います。
昭和の働き方との違い
思い返せば、昭和30年代後半の高度経済成長期も、日本人は寝ないで働いていました。
当時は「慢性疲労」という言葉も今ほど意識されていなかったように思います。
なぜでしょうか?
おそらく当時は日本全体がまだ貧しく、それでも目に見えて暮らしが豊かになっていく実感があったからでしょう。
しかし今の日本は、物質的にはあの頃よりずっと豊かになったはずなのに、心の面では貧しく、将来に希望が見えにくい。
40年前より社会全体に余裕がなくなったように感じるのは私だけでしょうか。
疲労はどうする?
心身ともに疲れてしまう現代社会。
慢性疲労を少しでも和らげる方法のひとつに「指圧」があります。
緊張をゆるめ、呼吸を整え、体と心に余白を取り戻すことができるのです。
疲れたときは、どうぞ指圧でリセットしてみてください。