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1. 子宮筋腫の概要
筋組織・結合組織の増殖による良性腫瘤。
主な症状:過多月経、月経痛、頻尿、便秘、下腹部痛など。
2. 現代医学の対応
経過観察/対症療法と手術に大別。
薬物療法:GnRHアゴニストなどにより女性ホルモン分泌を抑制し、縮小を図る。
手術適応:
35歳以下、進行性の筋腫
手拳大の筋腫
重度の貧血や心疾患を伴う場合
手術法:筋腫核出術、子宮全摘術。
3. 東洋医学の視点
「子宮筋腫」という病名病理概念は存在しない。
臨床的には「東洋医学的介入が可能な段階」と「外科的介入が必要な段階」に大別。
適応条件:
手拳大以下の筋腫
閉経期に近い/症状が軽度
重度の貧血・心疾患がない
4. 鍼灸・手技療法の臨床的報告
お灸による縮小例は散見される。
骨盤内環境を整えることで腫瘤の縮小や排出を認める例がある(骨盤整復により実際に排出を確認した症例あり:平田氏談)。
骨盤内循環・臓腑機能の改善は鍼灸の作用機序とも重なる。
5. 考察
子宮筋腫に対する非外科的アプローチは、骨盤内の環境改善を共通の基盤としている。
鍼灸:経穴刺激・温熱刺激による血流改善、自律神経調整。
手技:骨盤整復による血流・臓器配置環境の改善。
心身要因:「怒り」との関連を指摘する見解(ドラネコ氏)もあり、情動因子への介入も視野に入れるべき。
6. まとめ
適応条件を満たす子宮筋腫においては、鍼灸や骨盤整復などの手技療法により縮小・症状軽減が期待できる。
重要なのは「骨盤内環境の改善」という共通機序であり、情動面への配慮も含めた包括的対応が求められる。