
小児はりは、大阪を中心に発達した日本独自の鍼灸療法であり、子どもの予防医学の一分野として知られています。
ベトナムとの接点
2000年代初頭、小児はりの普及活動を進めていた折、仲間のD氏が同級生のストリートチルドレン支援活動を通じてベトナム・フエとつながりました。彼女は実際に現地を訪れ、その経験を日本の鍼灸師向けセミナーで報告しました。
当初「ベトナムで小児はりがどのように役立つのか」という点については疑問視する声もありましたが、D氏は「必ず我々にできることがある」と強調しました。
NPO法人の設立と活動
小児はりの会を立ち上げ、勉強会・講習会を始めた時期と重なり、活動の場を求める流れの中で、長沼トミ子氏と大極安子氏を中心に NPO法人「マブベえがおの会」 が設立されました(2003年認可、後に解散)。仲間5人による手探りの活動が始まりました。
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ベトナムでの活動
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「平和村」での講演
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「障害児親の会」への参加(マッサージ法の披露と普及)
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フエ医科大学での講演
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当時のベトナムは依然として共産党の影響が強く、集会を開くこと自体が容易ではありませんでした。その中で活動が受け入れられたことは大きな成果でした。
国内での活動
同時期、日本国内でも活動が展開されました。D氏の紹介で千葉県印西市の幼稚園や教会において、月1回の小児はり活動が行われました。これにより、国内外双方での普及の土台が形成されました。
節目の出来事
2004年9月15日、ベトナムの「子どもの家」10周年記念行事が王宮で開催され、D氏が出席しました。
その後の普及
現在では小児はりは鍼灸師の間で広く知られ、勉強会も盛んに行われています。しかし20年前、学校教育の中で小児はりは知識として触れられる程度であり、臨床で実践されることはほとんどありませんでした。
この変化は、小児はりを必要とし、学びたいと望んでいたのが鍼灸師たち自身であったことを示しています。