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最近、「リフティングをしていて手首を反らせたときに痛めた」というご相談を受けました。
手首の親指側にあるCM関節(母指のつけ根の関節)を傷めることがあり、これは手首の過伸展(反らしすぎ)による損傷の一つです。
症状の特徴
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手首を回すと「ズキッ」ではなく芯が痛むような感じ
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見た目の腫れは少ないけれど、コリ感や不安定さが残る
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引っ張るようにすると激しい痛みが出ることもある
このような症状があるときは、関節を支える**靱帯(じんたい)**が伸びたり、小さく傷ついている可能性があります。
🔄 経過と予後の目安
- 経過期間: 〜1週目状態: 炎症期。腫脹・熱感・痛み(牽引や回旋で強い痛み)対応:安静・固定・アイシング。手関節背屈を避ける。
- 経過期間: 2〜3週目 状態: 痛みは軽減するが、「芯が痛む」「不安定」感が残る。
対応: 軽いストレッチ・温熱・圧迫サポーターで支持。 - 経過期間: 4〜6週目 状態: 関節包・靱帯が瘢痕化し始める。動かすと「ひっかかり」やだるさ。対応: 手根骨・母指球の調整、軽負荷リハビリ。
- 経過期間: 2〜3か月 状態: 日常動作は問題なし。ただし、リフティングや重負荷で再発しやすい。
対応: 安定性トレーニング(母指球筋群強化)を開始。
注意したいサイン
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痛みが「鋭い痛み」から「芯の痛み」、「重だるさ」へ変わっていけば回復傾向です。
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いつまでも不安定な感じが残る場合は、靱帯が伸びたままになっていることもあります。
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数か月たっても痛みが残るときは、「母指CM関節症(変形性関節症)」へ移行することもあるので注意が必要です。
鍼灸や手技療法も効果的
痛みのピークを過ぎたあとは、**鍼灸や手技(マッサージ)**でまわりの筋肉や腱の緊張をゆるめ、血流を良くして回復を助けることができます。
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手首から前腕(腕の親指側)の筋肉を丁寧にほぐす
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温灸や温熱療法で血行を促し、回復を早める
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痛みが落ち着いたら、母指のつけ根(母指球)を鍛える
手首の関節は細かい骨と靱帯で支えられています。
軽い痛みでも放っておくとクセになったり、再発しやすくなります。
**「芯が痛い」「なんとなく不安定」**と感じたときは、早めに休ませ、必要なら専門家の施術を受けましょう。
しっかりケアすれば、多くの場合は2〜3か月で元の動きに戻ります。