最近、片麻痺の方に「皮膚鍼」を取り入れています。
反射が見られる場合には、しつこく皮膚鍼をかけて腕を動かします。最初は反射で腕が動くのですが、いずれはご本人が意識して動かせるようになるのではないか——そんな思いで続けています。
私がお伺いしている方は、発症当初に「腕が二本あるような感覚」を語ってくださいました。一本は重く動かない塊のような腕、もう一本は“こちょこちょ”と動いている感覚だけの手。後者は脳の中で感じていた動きだったのかもしれません。私はこの“こちょこちょ動く手”の感覚を、皮膚鍼を通じて脳に新しい動きの回路として再構築できないかと試みています。
さらに2週間前からは、私の気功の師匠が気功リハビリを始めてくださっています。その効果か、麻痺側にピリピリとした電気のような感覚が出てきました。気の感受性を持つ方なので、この変化は大きな希望です。
皮膚鍼も気功リハビリも、いずれも「新たな回路づくり」のお手伝いです。からだと脳が再びつながる瞬間に立ち会えることを願いながら、取り組んでいます。
対象
片麻痺患者(発症から数年経過)
施術内容
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皮膚鍼を麻痺側上肢に施行
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反射が出る部位に対し、繰り返し皮膚鍼をかける
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反射的運動を誘発 → 意識的運動への移行を目指す
患者の主訴・感覚
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発症当初「腕が二本ある感覚」
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一本:重く動かない塊
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一本:脳内で“こちょこちょ”動いている手
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“こちょこちょ動く手”は脳内イメージとして残存していた模様
経過・変化
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皮膚鍼により反射性運動が誘発される
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脳の新しい運動回路再構築の可能性を探る試みとして継続
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2週間前より気功リハビリを併用(指導:師匠)
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気功開始後、麻痺側に「ピリピリ(電気様)感覚」が出現
所感
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気的感受性を持つ患者のため、感覚回復が期待される
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皮膚鍼・気功リハビリはいずれも「新たな神経回路(カイロ)づくり」を促す補助手段として有効な可能性
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継続的観察とフィードバックが必要