夜になると脚がムズムズして眠れない…。
そんな症状から「レストレスレッグス症候群(RLS)」とも呼ばれる病気があります。
主な特徴
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中高年に多く見られますが、20代でも約半数が発症
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特にふくらはぎに不快感や痛みを感じ、じっとしていられない
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夕方から夜にかけて症状が強く出やすい
そのため「寝ようとすると脚が気になって眠れない」「じっと座っていられない」といった生活の支障が出ます。
診断と評価
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自覚症状:2分間に5~6回ほど脚が痙攣する
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検査:睡眠中の筋電図・脳波検査
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睡眠障害専門医による診断が大切
推定患者数は全国で約300万人とされますが、認知度はまだ低いのが現状です。
原因とタイプ
原因ははっきりしていませんが、次の2種類に分けられます。
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二次性:鉄欠乏性貧血、腎不全(人工透析)、パーキンソン病、妊娠などに伴って起こる
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特発性:明確な原因がないタイプ
二次性の場合は、鉄の補充など基礎疾患の治療が必要です。
リスクとの関連
近年の研究では、むずむず脚症候群の人は 脳卒中や心疾患のリスクが2倍 になる可能性があるとの報告もあります(American Academy of Neurology, 2007)。
また、子どもの場合は授業中に足をぶらぶらさせたり、落ち着きがなく見えるため、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と間違われることもあります。
治療とケア
「不眠症」と誤診され、睡眠導入剤や抗うつ薬を使うと悪化するケースも報告されています。気になる場合は専門医の受診をおすすめします。
日常生活では次のような工夫が有効です。
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カフェイン・アルコール・喫煙を控える
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脚のストレッチやマッサージで血流を改善する
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鍼灸やマッサージにより脳内モルヒネ(エンドルフィン)の分泌を整え、症状が和らぐ場合がある
参考リンク
むずむず脚症候群 友の会
http://muzumuzu.org/