8種類もの薬を服用していたために薬疹を発症された方の話を伺いました。
毎週当院に通院されていました。この当時非常に忙しくなり皮膚の状態が悪化し、病院を紹介せざるを得ない状況でした。
薬の種類が6種類以上になると、こんなリスクが
この方のように、薬の種類が6種類以上になると、様々な問題が生じる可能性があります。
厚生労働省の研究によると、6種類以上の薬を服用すると、副作用や薬物有害事象のリスクが大幅に高まることが分かっています。具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- 薬同士が相互作用を起こし、効果が強すぎたり弱すぎたりする
- 副作用のリスクが高まる
- 飲み忘れや飲み残しが起こりやすくなり、症状が悪化したり、薬効が十分に得られなかったりする
- 特に高齢者の場合、肝臓や腎臓の機能が低下しているため、薬の分解や排出に時間がかかり、副作用のリスクがさらに高まる
8種類の薬を服用していた方のケース
今回ご紹介した方は、8種類もの薬を服用されていました。その中には、蕁麻疹の治療薬であるステロイドも含まれていました。
実際は蕁麻疹ではなく、薬疹でした。
すぐに病院に行き即日入院となりました。
ポリファーマシーを防ぐために
薬の種類を減らすことは、副作用や薬物有害事象のリスクを降低するために非常に重要です。
そのためには、以下のような対策が有効です。
- 主治医に相談し、本当に必要な薬だけを服用するようにしましょう。
- 複数の医療機関を受診している場合は、服薬状況を把握しやすいように、お薬手帳を活用しましょう。
- 薬の飲み合わせについて、薬剤師に相談しましょう。
- サプリメントや健康食品も服用している場合は、主治医や薬剤師に相談しましょう。
薬は適切に使用すれば、病状を改善したり、命を救ったりする貴重なものです。
しかし、飲み過ぎには注意が必要です。薬の種類が6種類以上になると、副作用や薬物有害事象のリスクが高くなります。
ご自身の服薬状況を見直し、ポリファーマシーを防ぐことで、安全で効果的な治療を受けましょう。
参考情報
厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」
日本ジェネリック製薬協会「ポリファーマシー」
兵庫県「ポリファーマシーについて~おくすりいくつ飲んでいますか?」
このブログ記事が、皆様の健康維持に役立つことを願っています。