
2008年3月に「エリクソン催眠完全習得ワークショップ」を開催してから、もう11年が経ちました。寒い季節になると、あのときの空気感を思い出します。無意識が浮かび上がるような体験を通じて、深い学びを得られた三日間でした。
初日 ― メタモデルと無意識ワーク
スタートは、トランス状態から覚醒させるための「メタモデル」の講義と実習でした。左脳と右脳のチャンネルを開いてバイパスを通す無意識ワークは印象的で、まさに内側の世界にアクセスする実感がありました。
二日目 ― ミルトンモデルの言語パターン
2日目はミルトン・H・エリクソンの催眠パターンを、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが言語化した「ミルトンモデル」を学びました。創始者から直接学んだ北岡泰典氏の解説は迫力と説得力にあふれ、人がいかに言葉で簡単に催眠に入ってしまうかを実感しました。詐欺師の言葉巧みな誘導がその典型例であることも指摘され、日常生活への警鐘にもなりました。
無意識ワークを通じて「内なる医師」とつながり、さらにフィルターをかけることでクライアントからの不要な影響(東洋医学でいう“邪気”)を排除する方法も学びました。
三日目 ― エリクソンの肉声分析と多重トランス
最終日は、エリクソン自身の肉声や文章をグループで綿密に分析し、普通の語りかけで自然に催眠へと導くトレーニングを行いました。圧巻は「多重トランス誘導」。強力に無意識へメッセージを落とし込む技法を体験しました。対人関係で緊張しがちな参加者が、皆の前で驚くほどリラックスして演習を続ける姿は印象的でした。
伝説となったセミナー
セミナーの終盤、北岡氏から突然「最初で最後のセミナー」宣言がありました。後にまた別のワークショップで教えられるようになりましたが、この封印宣言もまた伝説の一幕です。
参加者からは、
「脳みそがシェイクされたようで、帰宅してもアヘアヘでした(笑)」
「伝説のセミナーに参加でき、楽しく多くを学びました」
といった声をいただき、主催者としても嬉しい思い出となりました。