
私たちのタッチセラピーは、小児はりからスタートしました。
きっかけは、恩師の声かけによって2000年に開催した小児はりセミナーです。なんと全国から60人近くの応募があり、当時はまったく注目されていないと思っていた小児はりにこれほどの関心が寄せられたことに驚かされました。
その頃、周囲の先生方に話しても
「この少子化時代に、なぜ小児なのか?」
「小児はりは弟子がやるものだ」
といった反応ばかり。スタッフに勧めても「興味がない」と言われるほどでした。
ですから最初に集まったのは、純粋に子どもが好きで、子どものためのアプローチをしたいという思いを持つ人たちだけでした。全国から集まった方々の存在は、小児はりに可能性を感じている人が確実にいることを示してくれました。そして何より、声をかけてくださった恩師の技量がとてつもなく大きく、まさに“神業”と呼ぶにふさわしいものでした。
ベトナムとの出会いと広がり
3回目の公開セミナーの後、仲間のひとり「ねこねこあがれ」がベトナムの「子どもの家を支える会」と関わり、小児はりで参加したことが大きな転機となりました。回を重ねるごとに参加者は増え、やがて活動をベトナムに集中させるために「マブベえがおの会」が発足し、現在まで続いています。
小児はりからタッチセラピーへ
小児はりは医療行為であり、さまざまな手技があります。大きな違いは、タッチセラピーでは刺入を行わないことです。さらにタッチセラピーでは、触手療法的な手法も取り入れています。これはニューヨーク市立大学病院のクリーガー先生が体系化した「Therapeutic Touch」とも似ており、初めて知ったときには非常に驚かされました。
夜泣きや疳の虫といった症状から始まりましたが、今では火傷や手術痕、脳障害による麻痺などにも臨床例を広げています。
子どもに関わるすべての人へ
タッチセラピーは、医療従事者に限らず、心理士、保育士、看護師、さらには保護者など、子どもに関わるすべての方に学んでいただけるものだと感じています。子どもをやさしく支えるための方法として、これからも広く伝えていきたいと思っています。