2026年8月29日、MacのOSをアップデートしようとしたことから、思いがけず大きなトラブルに巻き込まれました。
Macのアップデートができない。Parallels Desktopが終了できない。その中で動いているWindows 11もフリーズしている。
仕方なくParallelsを強制終了すると、今度はWindowsを開こうとしても「アクセスが拒否されました」と表示される。
さらにWindows 11が2つ現れ、外付けSSDにも同じような仮想マシンがあり、「MACアドレスが別の仮想マシンで使用されている」という警告まで出てきました。
最初は単に「Macをアップデートしたい」だけだったのです。
それが、Mac、Parallels、Windows、仮想マシン、アクセス権、Apple ID、複数のメールアドレス、ライセンス、外付けSSDと、問題がどんどん枝分かれしていきました。
この話はかなり長くなります。
そこで「治療院デジタル実践室」では、今回の顛末を何回かに分けて書いてみようと思います。
ただ、その前に一つ説明しておかなければなりません。
そもそも、なぜ私はMacの中でWindowsを動かしていたのか。
今回は、その話から始めます。
2003年頃、仕事のパソコンはWindows XPだった
2003年頃、私が仕事で使っていたパソコンはWindows XPでした。
Windows XPは2001年に登場したOSですが、長く使われたWindowsなので、この頃にパソコンを使っていた人には馴染みがあると思います。
私も普通にWindowsを使っていました。
その後、Windows 7、Windows 8とOSが変わっていきます。
Windows 7は2009年、Windows 8は2012年に登場しています。
今振り返れば当たり前なのですが、当時の私はOSが新しくなるたびに少し身構えていました。
「今まで使っていたソフトは動くのだろうか」
「プリンターなどの周辺機器は大丈夫だろうか」
「アップデートしたら、何か動かなくなるのではないか」
パソコンを趣味だけで使っているなら多少のトラブルは楽しめます。
しかし仕事で使っているパソコンの場合、昨日までできていたことが突然できなくなるのは困ります。
OSを新しくすることが、必ずしも「便利になる」という感覚だけではありませんでした。
そこでMacを本格的に使うようになった
そうしたこともあって、私はWindows中心の環境からMacを使うようになっていきました。
私がこの時期に使っていたMacは、Mac OS X Snow Leopardの頃です。
Snow Leopardは2009年に登場したMac OS X 10.6です。
ただし、ここは少し強調しておきたいところです。
Macに替えたら、すべてが突然快適になったわけではありません。
少なくとも私が当時使っていた環境では、Snow Leopardの頃は1日に1回くらいフリーズすることがありました。
もちろんMac全体がそうだったという意味ではありません。あくまで私の機種や使用環境での体験です。
「MacはWindowsより絶対に安定している」
という神話はありましたが単純な話ではありませんでした。
むしろ最初の頃は、Macも結構止まるな、という印象を持っていました。Windows7,XP,は非常に安定してたからです。
LionあたりからMacがかなり使いやすくなった
その印象が変わってきたのが、Mac OS X Lionの頃です。
Lionは2011年に登場しました。
私の環境では、このあたりからかなりスムーズに動くようになり、普段の仕事についてはMacを中心にしても困らなくなってきました。
Macを使う時間が増え、だんだんWindowsを立ち上げる機会は減っていきました。
ところが、一つ問題が残りました。
Windowsでなければ動かないソフトがある。
これです。
Macを使いたい。でもWindowsも必要だった
パソコンを長く使っていると、OSだけで環境を決められません。
問題になるのは、その上で動かしているソフトです。
Macへ移ったからといって、それまで使ってきたWindows用ソフトを全部捨てられるわけではありません。
仕事で必要なアプリケーションの中には、Windows版しかないものもありました。
そこで利用したのがBoot Campです。
Boot CampならMacでWindowsを動かせた
Boot Campは、Intel製CPUを搭載したMacにWindowsをインストールし、MacそのものをWindowsパソコンとして起動できる仕組みです。
Appleが2006年に発表しました。
これを使えば、1台のMacでmacOSとWindowsの両方を使えます。
非常に便利なのですが、一つ大きな欠点がありました。
MacとWindowsを切り替えるたびに、パソコンを再起動しなければならない。
Windowsのソフトを少しだけ使いたい。
そう思っても、一度Macを終了してWindowsとして起動する。
用事が終わったら、また再起動してMacへ戻る。
頻繁に両方を行き来するには、これが結構面倒でした。
そこでParallels Desktopを使い始めた
そこで登場したのがParallels Desktopです。
Parallels Desktopも2006年に登場した、Macの中でWindowsなどを動かすための仮想化ソフトです。
少し専門用語になりますが、「仮想マシン」という仕組みを使います。
簡単に言えば、
Macを動かしたまま、そのMacの中でもう1台のWindowsパソコンを動かす
ようなものです。
Boot Campとは違い、Macを再起動する必要がありません。
Macでメールやブラウザを使いながら、その横でWindowsのアプリを動かせます。
これは非常に便利でした。
ただ、昔のParallelsは私には重かった
現在のParallels Desktopはかなりよくできていますが、私が昔Intel Macで使った頃は、かなりもたつく印象がありました。
Macそのものを動かしながら、その中でもWindowsを動かすわけです。
当然、CPUやメモリなどMac側の性能も使います。
当時の私のMacでは、Windowsを動かすと全体的に重く感じました。
「これは便利だけれど、常用するには少し厳しいな」
という印象だったのを覚えています。
その後、Windowsアプリを使う必要が減った時期もあり、一度Parallelsをほとんど使わなくなりました。
ところが、またWindowsが必要になった
それで終われば、今回のトラブルも起きなかったでしょう。
ところが、その後またWindowsで動かしたいアプリが出てきました。
そこで私は再びParallels Desktopを使うようになります。
使わなくなったり、また使い始めたり。
Macも買い替える。
メールアドレスも変わる。
Apple IDも使う。
Parallelsの契約方法も変わる。
そうやって十数年使っているうちに、知らない間にParallelsを取り巻く環境がかなり複雑になっていました。
今回確認しただけでも、昔使っていたメールアドレス、現在のGmail、iCloudメール、そしてAppleでサインインしたときに作られたPrivate Relayのメールアドレスまで出てきました。
本人は一人なのに、Parallelsから見ると何人もいるような状態です。
これが今回のトラブルをさらにややこしくする原因の一つになりました。
20年前にはなかった「AIに画面を見せながら直す」という方法
そして今回、昔とは決定的に違うことが一つありました。
ChatGPTが相談相手としていたことです。
今回のトラブルでは、私は何度もiPhoneで画面を撮影し、そのスクリーンショットをChatGPTに見せました。
そして、
- これは何の画面なのか
- 次はどこを押せばいいのか
- これは削除していいのか
- このファイルは何なのか
- 今ここで強制終了して大丈夫なのか
ということを、一手ずつ確認しながら作業しました。
今考えると、今回一番大きかったのはここだったと思います。
Parallelsだけならまだ何とかなります。
しかし問題がMacのアクセス権、Windowsの仮想マシン、外付けSSD、Apple ID、複数のアカウントへと広がっていくと、自分一人では「何を調べればいいのか」そのものが分からなくなってきます。
私はおそらく途中でお手上げになっていたでしょう。
少なくとも、今回の復旧作業を最後まで続けられたかどうかはかなり怪しいと思います。
PCに詳しい人が隣にずっと座っていて、こちらの画面を見ながら相談に乗ってくれる。
今回のAIの使い方は、それにかなり近いものでした。
ただし、AIに全部任せればいいわけではなかった
もちろん、AIがすべて正しかったわけではありません。
実際、今回の作業でも途中からParallelsのアカウントや契約料金の話にかなり時間を使いました。
それも確認する必要はあったのですが、話を追いかけているうちに、私は途中で気づきました。
「そもそもの発端はMacのアップデートだったよね」
今回の目的は、Parallelsの契約料金を調べることではありません。
Macをアップデートしたかった。
ところがWindowsがフリーズしてParallelsを終了できなくなった。
これが出発点です。
AIと話をしていると、関連する問題をどんどん掘っていくことができます。
それはAIの強みですが、逆に言えば本来の目的から枝道へ入ってしまうこともあるということです。
その時には、人間側が、
「そもそも何を解決したかったんだっけ?」
と話を戻す必要があります。
AIは修理屋ではなく、一緒に問題を切り分ける相手
今回の経験から、私はAIを「何でも直してくれる万能の修理屋」と考えない方がいいと思っています。
むしろ便利なのは、
分からなくなった状況を一緒に整理して、問題を一つずつ切り分けていく相手として使うこと。
この使い方です。
専門用語が分からなくても聞けます。
同じことを何度聞いても構いません。
スクリーンショットを見せて「これ何?」と聞くこともできます。
そして、人間側もAIの答えを鵜呑みにせず、「目的は何か」「本当に今それをする必要があるのか」を確認しながら進める。
今回の連載では、単なるParallelsの復旧記録だけではなく、「人間とAIが一緒にパソコントラブルを解決すると、実際にはどうなるのか」という部分も書いていきたいと思います。
次回:Parallelsのアカウントが4つ?
さて、今回のトラブルをややこしくしたものの一つが、長年使ってきたParallelsのアカウントでした。
昔のメールアドレス。
現在のGmail。
iCloudメール。
さらにAppleでサインインした際のPrivate Relayアドレス。
そこへ昔のメールアドレスに「50%OFF」というParallelsからの案内まで届きました。
「これが今の契約なのか?」
「5,700円くらいで更新できるんじゃなかったか?」
と調べ始めた結果、現在の本契約は別のところにあることが分かります。
次回は、長年同じサービスを使っているうちに、アカウントと契約がどれだけ複雑になるか。
そして、それをAIと一緒に一つずつ整理した話を書きます。


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