当院では以前、予約のほとんどが電話でした。
ネット予約の仕組みはあったものの、実際に利用するのは一部の方だけで、高齢の患者さんを中心に電話対応が主流でした。
これを大きく変えたのが、LINE公式アカウント(旧LINE@)を使ったLINE予約の導入です。
導入から2年以上が経ち、良かった点だけでなく、実際に失敗したことや課題も見えてきました。治療院でLINE予約を検討している方の参考になるよう、実体験をまとめておきます。
LINE予約を導入したきっかけ
理由は単純で、LINEを使っている患者さんが思っていた以上に多かったからです。
電話の場合、患者さん側も営業時間や施術中かどうかを気にして連絡する必要があります。
一方、LINEなら患者さんの都合の良いタイミングで問い合わせができます。
導入後には、
「時間を気にせず連絡できるのがいい」
という声を何度も聞きました。
最初にぶつかった壁は「知識不足」
導入した当時は、まだ「LINE@」と呼ばれていた頃です。
私自身もLINEの仕組みにそれほど詳しくなく、設定方法を一つずつ調べながら進めていました。
現在は名称も「LINE公式アカウント」に変わり、管理画面や機能も当時とはかなり変わっています。
特に苦労したのが、リッチメニューの作成です。
- 画像素材を探す
- レイアウトを考える
- ボタンの配置を決める
- リンク先を設定する
- 管理画面の項目の意味を調べる
現在ならそれほど難しく感じない作業でも、当時は情報を探しながら一つずつ試す必要があり、かなり時間がかかりました。
LINE予約を導入して変わったこと
パソコンにもLINEを入れ、予約の問い合わせを常時確認できるようにしました。
すると、電話からLINEへ切り替える患者さんが徐々に増えていきました。
導入から2年以上経った現在では、LINEは当院の主要な予約手段の一つになっています。
電話の場合は、その場で対応できなければ取りこぼしてしまう可能性があります。
LINEならメッセージが残るため、施術が終わってから返信することもできます。
一人で治療院を運営している場合、この違いはかなり大きいと感じています。
紙のポイントカードもほとんど使わなくなった
LINE公式アカウントを導入して便利だったもう一つの機能が、ポイントカードです。
以前は紙のポイントカードを発行していましたが、LINE公式アカウントのポイント機能へ移行したことで、紙のカードを新しく発行することはほとんどなくなりました。
患者さん側もカードを忘れる心配がなく、治療院側も印刷や管理の負担を減らせます。
失敗したこと:LINE予約と電話予約のダブルブッキング
もちろん、良いことばかりではありませんでした。
実際に何度か起こしたのが、ダブルブッキングです。
LINEで予約の問い合わせが入っていることに気づかないまま、同じ時間帯に電話予約を受けてしまったことがありました。
電話、LINE、ウェブ予約など、予約経路が複数になるほど管理は複雑になります。
これは「注意していれば防げる」という問題ではなく、仕組みとして重複を防ぐ必要があると感じました。
LINE予約を導入する場合は、予約を受けたら必ず一つの予約表やカレンダーへ集約するなど、最初から管理ルールを決めておいた方が安全です。
LINEを使わない患者さんはどうするか
高齢の方を中心に、LINEをあまり使わない患者さんも一定数います。
しかし、実際に運用してみると大きな問題にはなりませんでした。
LINEを利用しない方には、
- 電話予約
- ウェブ予約
- 来院時に次回予約を入れる
といった別の方法を残しています。
すべての患者さんをLINEへ移行させる必要はありません。
患者さんが使いやすい予約方法を複数残しておくことの方が現実的だと思います。
最近はAIにも助けられている
LINE公式アカウントを導入した頃と比べて、大きく変わったのがAIの存在です。
最近では、リッチメニューの作り方や設定方法が分からなくても、AIに質問しながら作業を進められるようになりました。
以前なら検索して複数のサイトを読み比べていたような作業でも、まずAIに聞いて概要を理解し、必要な部分だけ確認するという進め方ができます。
もちろんAIの回答が常に正しいとは限らないため、最終的には公式情報や実際の管理画面で確認する必要があります。
それでも、LINEに詳しくない人が最初の設定を進めるハードルは、以前よりかなり下がったと感じています。
これから治療院でLINE予約を導入する人へ
実際に2年以上運用してきて、特に重要だと思うのは次の点です。
- LINEに詳しくなくても、現在はAIを使いながら設定を進められる
- 予約経路が複数ある場合は、ダブルブッキングを防ぐ仕組みを先に決めておく
- LINE公式アカウントのポイント機能を使えば、紙のポイントカード管理を減らせる
- LINEを使わない患者さんのために、電話・ウェブ予約・来院時予約など別の導線も残しておく
LINE予約は、導入するだけですべてが自動化される仕組みではありません。
それでも、一人で治療院を運営する立場からすると、電話だけで予約を受けていた頃に比べてかなり楽になりました。
特に重要なのは、LINEそのものを導入することより、「問い合わせを受ける仕組み」と「予約を管理する仕組み」を分けて考えることだと思います。


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