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治療院のチラシは情報を詰め込みすぎない。
この写真が、一番失敗したと思っているチラシです。
印刷の方に初めて丸投げしてしまいました。
あとから受け取る側の目線で見てみると、情報が多すぎました。
お恥ずかしい過去チラシです。

チラシを何度も作っていると、作る側と受け取る側では見ているものがまったく違うことに気づく。
- 作る側と読む側では見ているものが違う
- 情報を入れすぎるとごちゃごちゃする
- 真面目に作るほど読まれるとは限らない
- 「何のチラシか」がすぐ分かることが最優先
- すぐ来なくても、取っておいてくれる人がいる
- 治療院では「どんな人がやっているか」も大切
- イラストは上手さより見てもらえるかどうか
- 色数と反応は比例しない
- 紙のサイズも大きければいいわけではない
- 遊び心とはふざけることではない
- 読まれるチラシは全部を説明するチラシではない
- 今はチラシとホームページで役割を分担できる
- 昔の広告表現をそのまま今は使えない
- 家族や友人に「何のチラシに見える?」と聞いてみる
- AIを使う場合も、まず読み手側から考える
- 意識してきたことのまとめ
- 作り手が言いたいことより、読み手が知りたいこと
作る側と読む側では見ているものが違う
作る側は施術内容、経歴、料金、営業時間、症状の例など、できるだけ多く書いておきたくなる。せっかく印刷するのだからという気持ちは自然だ。
一方、受け取る側はそこまで熱心には読まない。ポストから出して「自分に関係あるかな」「何のチラシだろう」という程度から始まる。ここを忘れると、真面目に作っても読まれないチラシになる。
情報を入れすぎるとごちゃごちゃする
チラシ作りで起きやすい失敗は情報の入れすぎだ。経歴、施術方法、料金、地図、電話番号、営業時間と、空いている場所を見ると何か入れたくなる。どれも作り手には大切な情報だが、読む側にとっては「読むのが大変そうだ」という印象で終わってしまうことがある。
真面目に作るほど読まれるとは限らない
治療院は資格や身体を扱う仕事なので、きちんとしたものを作りたくなるのは当然だ。ただ、真面目に作ろうとするあまり、文字が同じ大きさで並び、説明が長く、余白がなく、どこを見ればいいか分からないチラシになることがある。少し変わったタイトルやシンプルなイラストが一つあるだけで目を止めてもらえる場合もある。読んでもらう前に、まず目を止めてもらう必要がある。
「何のチラシか」がすぐ分かることが最優先
意識するようになったのは、一番伝えたいことを大きくすることだ。全部を同じ大きさで書く必要はなく、大切なものとそうでないものを分ける。タイトルは大きく、補足説明は小さくてよい。見た瞬間に「何の店か」「自分に関係ありそうか」が分かることの方が、細かな情報を全部載せることより大切だ。
すぐ来なくても、取っておいてくれる人がいる
配ったその日に電話が来る人ばかりではなく、何週間、何か月も経ってから来る人もいる。チラシを取っておいてくれるからだ。すべての人に好かれる必要はなく、必要としている人に「自分のための情報かもしれない」と思ってもらえればいい。
治療院では「どんな人がやっているか」も大切
マッサージや鍼灸は、施術者と直接会い、身体に触れ、出張なら自宅に人を入れることもある。清潔か、話しやすいか、自分に合うかという不安は料金表だけでは解消されない。だからチラシにも堅苦しすぎず、ふざけすぎない程度に、その治療院らしさが少し見える方がいい。
イラストは上手さより見てもらえるかどうか
きれいな素材やAI画像はいくらでも使えるが、必ずしも完璧なイラストである必要はない。むしろ手作り感のある絵の方が印象に残ることもある。大切なのは絵の上手さより「ちょっと見てみようかな」と思ってもらえることだ。
自分で描けないなら、イラストだけ人に頼む方法もある
以前、チラシを作ろうとしていたときに、ココナラも検討したことがある。
そこで目に留まったのが、文字をきれいに並べるだけではなく、漫画のようなイラストを使って内容を表現している制作者だった。
結局そのときは依頼しなかったが、「こういうチラシなら目に留まるかもしれない」と感じたのを覚えている。
チラシ全部を外注する必要はないと思う。伝えたい内容や料金、電話番号などはこちらで決めて、自分では作れない漫画やイラストの部分だけ人に頼むという方法もある。
特に、治療院の雰囲気や施術の流れを絵で見せたい場合は、文字だけで説明するより分かりやすくなることがある。


色数と反応は比例しない
色を増やしたくなるが、経験上、色が多いほど反応が良くなるわけではなかった。1色、多くて2色で十分まとまることが多い。それより重要だったのは以下の点だ。
- タイトルが分かりやすい
- 文字が読みやすい
- 余白がある
- どこを見ればいいか分かる
派手にすることと目立つことは同じではない。
紙のサイズも大きければいいわけではない
比較的小さめ、B6程度のチラシをよく使った。A4は配る側からすると扱いにくく、ポストにも入れにくい。小さくまとまっていて何のチラシか分かりやすい方が扱いやすい場合がある。これは絶対的な正解ではなく、長年使ってきた中での経験にすぎない。
遊び心とはふざけることではない
チラシに少し遊び心があった方がいいというのは、ふざけていいという意味ではない。タイトルの言葉を工夫する、文字の大きさに差をつける、イラストを一つ入れる、余白を大胆に残す、クーポン部分を点線で囲む、といった小さな工夫のことだ。全部を同じ調子で並べず、少しだけ「何だろう」と思わせる程度でいい。
読まれるチラシは全部を説明するチラシではない
チラシ一枚で治療院のすべてを理解してもらう必要はない。役割は「少し気になるな」と思ってもらうことで、その先に電話やホームページ、Googleマップ、LINEがある。詳しい説明はその先でできる。チラシにはチラシの仕事をさせればいい。
今はチラシとホームページで役割を分担できる
昔はその一枚だけで電話をしてもらう必要があったが、今はQRコードなどでホームページやGoogleマップにつなげられる。チラシは興味を持ってもらう役割、詳しい説明はWebという分担がしやすくなった。
昔の広告表現をそのまま今は使えない
過去に作ったチラシには、現在の鍼灸・あん摩マッサージ指圧などの広告として、そのままは使えない表現も含まれている。このブログで昔のチラシを紹介する場合も「当時はこう作っていた」という資料としての紹介にとどめる。新しくチラシを作る際は、最新の広告ルールや自治体の案内を確認する必要がある。
家族や友人に「何のチラシに見える?」と聞いてみる
自分で作ったチラシは長時間見ているため客観視しにくい。家族や友人に数秒だけ見せて、「何のチラシだと思った?」「最初にどこを見た?」「読む気になった?」と聞いてみると、こちらが見てほしかった部分がまったく見られていないこともあり、参考になる。
AIを使う場合も、まず読み手側から考える
AIに「治療院のチラシを作って」と頼むこともできるが、大切なのは同じだ。まず、誰に読んでもらいたいか、その人は何を知りたいか、最初に何を見せるか、見た後に何をしてほしいかを考える。その後でAIを使えば便利だが、「誰に何を伝えるか」を考える部分までAI任せにしないことは今も変わらない。
今はAIやCanvaなどを使えば、自分でもかなりのところまで作れる。一方で、「こういう漫画調の絵にしたい」「自分の治療院らしいイラストが欲しい」という部分まで無理に自作する必要もない。
文章や構成は自分で考えて、イラストだけ人に頼む。あるいは、自分で作った案をもとにデザインだけ整えてもらう。自作する部分と外注する部分を分けるという考え方も、一人治療院には合っていると思う。
意識してきたことのまとめ
- 何のチラシかすぐ分かるようにする
- 一番大切な言葉を大きくする
- 情報を詰め込みすぎない
- 全部を同じ大きさで並べない
- 余白を残す
- イラストや文字に少し個性を出す
- 高価な印刷や多色刷りに頼りすぎない
- 第三者にも見てもらう
- 配った後の反応を見て直す
これは広告理論ではなく、30年以上治療院を運営しながらチラシを作り、配ってきた中で感じたことだ。
作り手が言いたいことより、読み手が知りたいこと
チラシ作りで難しいのは、自分の立場から離れることだと思う。こちらは自分の施術も勉強量も真面目さもよく知っているが、初めてチラシを見る人はそれを何も知らない。
作り手が伝えたい情報を並べるのではなく、読み手が「自分に関係がある」と感じられるように組み立てる。これはチラシに限らず、ホームページの記事もSNSも広告も同じだ。
次回:新宿の治療院で使っていた「初回500円引きクーポン」について。点線で囲んでクーポンにするという小さなアイデアを試したところ、実際に持参して来院する人が何人もいた。値引きのハードルを下げる役割と、チラシの反応を確認する役割の両方について振り返る。


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