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秋葉原での事件のとき、現場で多くの人が倒れていたにもかかわらず、まず携帯電話で撮影をする人たちが目立ったといいます。
警察官や注意を促した人が「やめろ!」と怒鳴っても、シャッターを切る行為は止まらなかったそうです。救援活動よりも「記録」や「配信」を優先する、不気味な光景でした。
私たちは災害や事故を「自分の身に起きていること」と受け止めるのではなく、「外から眺める出来事」として距離を置いてしまいがちです。ほとんどの人が「人ごと」としてしまう。そこに現代社会の一面が映っているように思います。
思い返せば、阪神大震災のときにも似たようなことがありました。神奈川県の旅行社を経営していた代議士が「震災ツアー」を企画し、物議を醸したのです。実際にそのツアーに参加した知人がいて、複雑な気持ちになったことを覚えています。被災地を「見に行く」ことが、不謹慎なのか、それとも現場を自分の目で確かめたいという正当な欲求なのか。答えは簡単には出ません。
しかし、こうした出来事が私たちに突きつけているのは「他人事にするのか、自分ごととして関わるのか」という問いです。
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倒れている人を助けるのか
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カメラを構えるのか
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距離を取って観光者のように振る舞うのか
日常ではなかなか意識することのないこの選択が、いざというときに人間の本性をあらわにします。
あなたはもしその場にいたら、どちらの立場を選ぶでしょうか。