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逆子の治療で有名なツボに三陰交があります。
昭和の初め頃までは「流産の危険がある」と考えられていましたが、昭和25年に産婦人科医であり、私たちの校長先生でもあった石野信安先生が、学会において「三陰交への灸が妊娠中の母体と胎児に優れた効果を発揮する」と発表されました。これをきっかけに三陰交灸の見直しが始まったのです。
近年では、十数年前に東邦大学医学部産婦人科から逆子治療の臨床研究が発表されており、その成功率は**87%**という高い数値を示しています。
臨床での実際
私たちの施術では、三陰交や至陰といったツボにお灸をすえます。すると施灸中に「お腹の中でゴトッと胎児が動く」のを感じることが多いのです。
数回で逆子が正位に戻ることが多く、初回から良い結果が出る場合も少なくありません。
ただし、すでに胎児が下がってきている場合には戻らないこともあります。また、お灸によって陣痛が誘発されることがあるため、逆子治療はできるだけ早めにご相談いただくことをおすすめします。
📚 参考文献
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蓬の会編著『くらしに活かす 東洋医学入門』エンタプライズ, 1988
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石野信安『女性の一生と漢方』緑書房, 1984