—「鍼灸・接骨の不正広告」報道への違和感—
2018-12-18 14:15:59 | Weblog
産経ニュースに「鍼灸、接骨など不正広告が横行 厚労省、年内にも指針作成」という記事が出ていました。
不正広告が問題で、適正広告との線引きを指針で明確にする——ここまでは理解できます。患者さんの安全を守るためにも必要な動きでしょう。
しかし、記事の中で**「過当競争」「有資格者の数が増えたから不正広告が横行」**という説明は、現場感覚とかみ合っていないと感じました。
違うのはここ
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問題は“数”ではなく“質”
増えたのは無資格マッサージの店舗やサービスであって、有資格のマッサージ師(あん摩マッサージ指圧師)が爆発的に増えたから不正が起きたわけではありません。
学校の数も増えておらず、「有資格者の急増=不正の温床」というロジックは数字マジックに見えます。 -
記事の中にもヒントがある
カイロプラクティックやリフレクソロジーなど、法規制の対象外として運用されがちな無資格サービスが街に溢れている、と記事自身が触れています。
ならば、無資格の広告・施術の実態、そして保険適用の不正(割引で誘引しつつ実際は保険請求)など、ここをもっと深掘りしてこそ読者に役立つはずです。 -
ネット広告・出張サービスの闇
ウェブ広告やポータルサイト経由の「出張マッサージ」も本当に有資格者が行っているのか、現場では疑問の声が少なくありません。
ここは実地の取材が不可欠です。
取材してほしい論点(現場からの要望)
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有資格者・無資格者の区別が実際の広告や予約サイトでどう扱われているか。
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「適正広告」の定義と周知状況、監督・指導の実効性。
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無資格施術と保険請求の関係、グレーゾーンの温床になっていないか。
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患者さん側の見分け方(施設掲示、施術者名・免許、領収書や明細の記載など)。
現場で長く働いている身としては、問題の本丸は「無資格」にあると感じています。
だからこそ、メディアには現場と数字の実態をしっかり取材して、患者さんが正しい選択をできる情報を届けてほしいのです。
ネット広告が主戦場になった今、“誰が施術しているのか”の透明性が、これまで以上に大切です。
私たち有資格者も、掲示・広告・説明の適正化を徹底し、信頼を積み上げていきます。











